アリスはお姉さんといっしょに、草のしげった土手にすわっていました。 お姉さんは絵のない本を読むのに集中していて、アリスにかまってくれません。 アリスは退屈と暖かい日差しのせいでとても眠くて、頭がぼんやりしてきていました。
ところがそのとき、ピンクの目をした白うさぎが、すぐそばを走っていきました。 おどろくことに、白うさぎからは「たいへんだ! どうしよう! まにあいそうもないぞ!」 というひとりごとが聞こえてきます。 しかも、うさぎはチョッキを着て、そのポケットから時計を取り出していたのです。
アリスは飛び上がって、夢中になって白うさぎを追いかけました。 お姉さんのとなりで退屈しているよりも、ずっとおもしろそうだと思ったからです。
白うさぎは、大きなウサギ穴に飛びこみました。 穴はとても大きく、深く、暗かったのですが、アリスはそんなちっぽけなことなんて考えることもなく、後に続いて穴に飛びこんでしまいました。
穴はおそろしく深いようですが、とてもゆっくりと落ちていっているようでした。 そのため、アリスは怖いとは思いませんでした。 それよりも、あたりを見るのに夢中になっているようです。 なにしろ、穴の側面は棚のようになっていて、様々なものがかざられているのです。 食器、本、地図、絵、ジャム...そんな中に、大きな看板を見つけました。
〜Welcome to NoneBer Land〜
この国の住民はパズルが大好き。 パズルでいろんなことが解決します。
でも気をつけて!この国の数字はあなたの国の数字とは違います。 もし、どうしても解けないパズルだったら、パズルを出してきた人や、周りの人に助けを求めるといいかもしれません。
アリスは看板を見て喜びました。 パズル!アリスが大好きな遊びです。
「でも、数字が違うってどういうことかしら」
アリスがそんなことを考えていると、穴もようやく終わりを迎えたようです。 明るい光が下から広がってきて、おもわず目をつむってしまいました。